相続コラムcolumn

相続不動産 をそのまま引き継ぐ 現物分割 について

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相続不動産の現物分割とは

不動産にも様々な分割方法がありますが、現物分割とは財産をそのままの状態で取得することです。
例えば、相続財産が自宅と投資用マンションと現金の場合、長男が自宅を、次男がマンションを、三男が現金を相続するパターンは現物分割となります。

現物分割は分割方法における単純明快な分配です。基本的には相続人の1人が対象の遺産を引き継ぐため、名義変更等の相続手続きも簡易になるメリットがあります
ただし、その反面、分配が不公平になりやすいデメリットもあります

 

現物分割の方法

不動産の分割において、現物分割を用いるパターンは以下の通り。

(1)不動産をそのまま相続

土地でも建物でも、分割せずにそのまま相続するパターン。

前述した例のように、兄弟三人で遺産を分ける場合、不動産は基本的に一人しか相続せず、不動産を取得しない人は別の財産をもらうこととなる。

 

(2)土地を分筆

分筆とは、登記簿上の一つの土地を複数に分けて登記する手続きです。

土地であれば、分筆することで相続分に応じて土地を分割することも可能です。
分筆した土地を単独所有すれば、活用も売却も自由です。

 

(3)建物を区分所有にして分ける

基本的に建物は物理的に分けられないので、現物分割が困難です。

しかし、マンションであれば、建物を区分所有建物に変更することで現物分割ができます。具体的には2階建てのマンションについて、1階の専有部分を長男が、2階の専有部分を次男が単独所有するようなパターンです。

ただし、区分所有建物は以下の成立要件を満たさなくてはなりません。

  • 各部屋が仕切り壁・床・天井等によって、他の部屋との構造上の区別がされている
  • 各部屋に利用上の独立性がある

一般的な住宅のように隣室や廊下との間に襖や障子しかない場合、独立性があるとは言えません。そのため、区分所有にできるのはマンションやビル事務所等になります。

 

現物分割のメリット

(1)手続きが簡易になる

現物分割によって不動産を相続すれば、基本的に名義人は単独となるので遺産分割協議後の手続きも簡単になります。

不動産を売却する換価分割や、評価額に応じて他の相続人に現金の支払いをする代償分割に比べて、相続における手続きが少ないことが最大のメリットともいえます。

 

(2)評価額方法でのトラブルが少ない

不動産は評価方法も複数あるので、評価額でトラブルに発展しやすいと言えます。

しかし、現物分割は不動産をそのまま取得するので、評価額を厳密に決める必要性も薄く、トラブル発生率も低いのです。

 

デメリット

(1)不公平になりやすい

現物分割は、相続人の間で公平な分配がしにくいのです。
不動産以外に車や株式などの財産があっても不動産と比べると価値が低いものが多く、不動産価値と同じ程度の財産が揃っているというケースも少ないでしょう。

完全な平等を目指すのであれば、現物分割は向いていません。

 

(2)分筆すると土地の価値が下がることがある

現物分割で土地を分筆すると、土地の価値が下がってしまう場合もあります。

土地が細分化されたために用途が限られたり、道路に面しない片側の土地の価値が下がったりすることがあるからです。
土地の評価額が下がった場合、売却額も少なくなってしまうので、注意が必要です。

 


不動産の相続など相続手続きのことでお悩みの方は熊本市中央区に拠点を構える熊本不動産相続税相談センターまでご相談ください。
行政書士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士とも連携し、相続に関するお悩みを全て解決いたします。

熊本市を中心に、熊本県全域に対応していますので是非ご相談ください。 初回相談は無料です。

 

投稿者プロフィール

藤本尚士
藤本尚士
熊本県玉名市出身。不動産相続に強い税理士。

経歴:
2007年 宅建業 エステート九州株式会社設立 代表取締役就任
2011年4月 税理士法人熊和パートナーズ入社・勤務
2014年8月 税理士法人新日本設立、その後、行政書士事務所設立 現在に至る

主な資格:
税理士、行政書士、相続手続相談士、相続診断士、宅建取引士、税務調査士®、不動産投資・運用アドバイザー®、医療経営アドバイザー、医療経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー(FP)2級