遺言書に不動産を記載する場合の注意点【相続開始後無効とならないように】
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相続財産に不動産がある場合、遺言書で相続させた方が良いでしょう。理由としては、不動産は分割が難しく、遺産分割協議での話し合いに任せると、時間がかかりがちです。その点、遺言書で指定しておくと、相続登記の手続きも含めて、スムーズに進みます。
ただし、遺言書に不動産を記載する場合、注意する点がいくつかあります。
遺言書作成のルールを守る
遺言書には様々な種類がありますが、作成のルールは異なります。
つまり、作成ルールを守らないと、形式不備で遺言書が無効になる怖れがあるのです。
例えば、「自筆証書遺言」の場合だと以下の決まり事があります。
- 財産目録以外は自筆で書くこと(代筆は認められません)
- 作成日付を入れること
- 署名・押印があること
こられは非常に起きやすいミスです。
特に第三者に見せずにお一人で作成される場合は、間違いのリスクも高くなります。
遺言が無効になるのが不安だという場合は、
- 専門家に確認を依頼する
- 自筆証書遺言の保管制度を利用する
- 公正証書遺言を作成する
- といった対策がお勧めです。
相続税申告やその他の手続きを代行している税理士などは遺言書の作成を手伝っている場合もあります。
専門家に確認してもらえれば、形式不備もなくなるでしょう。
自筆証書遺言の保管制度も保管所の担当者がチェックするので、同様に不備が起こりません。
公正証書遺言はそもそも公証人が遺言を作成してくれるので、安心です。
不動産の情報は特定できるように正しく書く
不動産を遺言書に記載する際は、不動産情報を「正確に記入する」ことが大切になります。
もし、「自宅の土地と建物を〇〇に相続させる」の文章だけであれば、物件情報が曖昧で相続財産の特定が困難な為、好ましくありません。
(法務局での相続登記の手続きが受付けてもらえない可能性があります。)
不動産の正しい情報を書くためにも、まずは法務局に出向いて最新の登記簿謄本を取得しましょう。
登記簿謄本に記載されている情報を遺言書に書けば問題ありません。
土地なら以下の情報を
- 所在
- 地番
- 地目
- 地積
建物なら以下の情報を登記簿謄本通りに記します
- 所在
- 家屋番号
- 居宅
- 構造
- 床面積
具体的な書き方は以下の画像を参考にしてください。
遺言の中で不動産を特定するときは、最低限、土地は所在・地番を、建物は所在・家屋番号を使って記載しなくてはなりません。
「住所さえ書いていれば不動産は特定できるのでは?」と思うかも知れませんが、同じ住所を使用する住戸が並ぶ場所も存在するので、住所だけでは不十分です。
よって、土地も建物も前述した情報を記載しておけば、特定もしやすくなります。
物件の特定があいまいでなければ、登記上の支障は生じません。
まとめ
不動産を遺言書で相続させるには、形式ルールを守るのも大事ですが、情報を正確に書くことも意識しましょう。
必ず最新の登記事項証明書を取得し、その内容通りに記載しましょう。
不動産の相続など相続手続きのことでお悩みの方は熊本市中央区に拠点を構える熊本不動産相続税相談センターまでご相談ください。
行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士とも連携し、相続に関するお悩みを全て解決いたします。
熊本市を中心に、熊本県全域に対応していますので是非ご相談ください。 初回相談は無料です。
投稿者プロフィール
- 熊本県玉名市出身。不動産相続に強い税理士。
経歴:
2007年 宅建業 エステート九州株式会社設立 代表取締役就任
2011年4月 税理士法人熊和パートナーズ入社・勤務
2014年8月 税理士法人新日本設立、その後、行政書士事務所設立 現在に至る
主な資格:
税理士、行政書士、相続手続相談士、相続診断士、宅建取引士、税務調査士®、不動産投資・運用アドバイザー®、医療経営アドバイザー、医療経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー(FP)2級
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