相続登記の義務化【罰則やその他の事項】
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こんにちは、税理士の藤本尚士です。
現在、実施に向けて議論が行われている「相続登記の義務化」。
今回は義務化にあたって、予測される「罰則」や「義務化と並行して検討されている項目」についても紹介いたします。
なお、相続登記自体の説明や義務化となった背景については前回のコラムを参考にしてください。
現在は登記をしなくても罰則がない
現行の不動産登記法では、相続登記の手続をしなかったとしても罰則はありません。
そのため、相続発生後にも登記がそのままになっているケースが多いのです。
売買や譲渡などで不動産所有権が移転する場合、第三者に対する対抗要件のためにも登記をそのままにしておくことはありません。(登記を自分の名義にしないと権利の保全にならないからです。)
対して相続の場合は、元の名義人である被相続人は既に亡くなっているので、登記名義人がほかの第三者に勝手に所有権を移してしまう危険は少ないと言えます。
そのため、何世代にも渡って相続登記が行われず、本来の所有者がわからなくなった土地や建物が増えてしまうのです。
義務化に伴って予定される罰則
相続登記がきちんと行われるためには、ある程度の罰則が設けられることも予測されます。
現行の法律では罰則はなく、不動産登記で表記を怠った場合に科せられる「過料」のみで、比較的軽い処分です。
なお、「表記」とは具体的には以下を指します。
- 建物を新築した際に行う『建物表題登記』
- 建物を取り壊した際の『滅失登記』
- 埋め立て等によって土地が新たにできた際の『土地表題登記』
- 土地の地目が変更した際の『地目変更登記』
- 土地の地積が変更した際の『地積更正登記』
相続登記の義務化については、背景にある問題のレベルが深刻なため、罰則については過料よりも重い処分となる「罰金」が科せられると想定されます。
現時点では協議中の段階ですが、十分に留意しておいた方が良いでしょう。
義務化と並行して検討されている項目
所有者不明の不動産対策として、相続登記義務化の他にも、以下の事項が検討されています。
- 特定期間内に相続登記をした場合は手続きが簡素化され、費用についても軽減
- 要件を満たせば、土地の放棄が可能
- 円滑な遺産分割のために分割期限を設定
他にも、土地の共有制限や財産管理制度についても見直しがされています。
相続登記のみならず、様々な相続手続きが簡易になったり、費用が軽減されれば、持ち主不明の土地も少なくなるでしょう。
相続登記を行わない事によるデメリット
相続登記の義務化については、改正案の施行後に取得する不動産が対象となるので、現時点で取得した不動産への適用はないと考えられます。
ただし、相続登記を行わないと
- 相続した不動産を売ることができない
- 他の相続人に不動産を処分される怖れがある
- 時間が経つと登記の費用が高くなる
などのデメリットを被る怖れがあります。
このようなリスクを避けるためにも、相続登記はできる限り行っておきましょう。
手間がかかりそうで面倒だと言う場合は専門家に手続き代行を依頼しても良いでしょう。
まとめ
今年中に実施が予想される相続登記の義務化は、今後の相続手続きが変わる重要事項です。
詳細は秋ごろに見えてくるものと思われますが、情報が入り次第、当コラムでも改めてご紹介致します。
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投稿者プロフィール
- 熊本県玉名市出身。不動産相続に強い税理士。
経歴:
2007年 宅建業 エステート九州株式会社設立 代表取締役就任
2011年4月 税理士法人熊和パートナーズ入社・勤務
2014年8月 税理士法人新日本設立、その後、行政書士事務所設立 現在に至る
主な資格:
税理士、行政書士、相続手続相談士、相続診断士、宅建取引士、税務調査士®、不動産投資・運用アドバイザー®、医療経営アドバイザー、医療経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー(FP)2級
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