相続コラムcolumn

不動産も生前贈与可能 ただし定額贈与のリスクあり

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生前贈与が可能な財産は現金や預貯金のみではありません。株式や骨董品、不動産も贈与の対象です。現金以外の財産評価は贈与された時点のものとなります。よって、相続時に価値があがったとしても影響しません。

不動産の生前贈与については、一括でする必要はありません。
いくつかに分けて数年かけて贈与することもできます。

また贈与は一人ではなく複数人に対してもできます。
複数人に贈与すると、該当の不動産は持ち分に応じた共同所有状態になります。

 

暦年贈与を使った不動産贈与

生前贈与をするなら押さえなければならないポイントが暦年贈与です。
これは贈与を受ける方(受贈者)1人につき、「年間110万円」までは贈与税が課税されませんという控除の制度です。

そのため、不動産の贈与でも、毎年渡す持ち分を110万円以下に抑えれば、贈与税は無税となります。

不動産の生前贈与では、一括でする必要はなく、少しずつに持分を渡していく方法も可能です。
よって、毎年110万円以内の金額で、数年かけて贈与していけば、贈与税を抑えられるのです。

不動産の評価は贈与時の価格となりますが、土地の場合は路線価方式または倍率方式で土地を評価します。
どちらの方式も国税庁のホームページで確認することができます。

また、建物の評価は固定資産税評価額となります。

路線価方式・倍率方式でも、固定資産税評価でも、時価よりは低い金額になります。
贈与税を抑えたいのであれば、これらの評価額が控除金額を上回らないようにしましょう。

 

贈与時の注意点

(1)契約書を作成すること

土地や家屋などの不動産を贈与する場合、贈与契約書を忘れずに作成しましょう。契約書を作っておけば、税務署から贈与を否認されることもないからです。
 

(2)登記申請を忘れずに

不動産を取得すると登記申請(名義変更)が必要です。

  • 不動産の権利証または登記識別情報
  • 印鑑登録証明書(登記申請時点で発行より3か月以内)
  • 登記原因証明情報
  • 固定資産評価証明書(該当物件所在地の市町村役場で取得)
  • 不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 新名義人の住民票
  • 登記申請書

上記の書類を揃えた上で法務局で手続きをしなければなりません。面倒だと言う場合は、専門の士業に依頼しても良いですが、報酬がかかります。

なお、名義変更には、登録免許税が課税されます。税額は「固定資産税評価額×2%」で計算します。

 

(3)不動産取得税がかかる

不動産をもらった場合には「不動産取得税」が課税されます。

土地の不動産取得税は、「土地の課税標準額×3%」、建物の不動産取得税は「固定資産税評価額×3%(非住宅は4%)」です。自治体から納税通知書が送られてくるので、金融機関や税務署、コンビニで支払いをします。

なお、相続で不動産を取得した場合は、不動産取得税は課税されません。

長期にわたる定額贈与にはリスクあり

暦年課税で少しずつ不動産を贈与する場合、基礎控除110万円内で長い期間にわたって贈与がされることでしょう。

この時、同じタイミングと同じ金額で贈与していると、税務署によっては定期金に関する権利の贈与契約を初年度にしたとみなす場合があります。110万円の贈与が10年あった場合、1100万円の贈与契約を初年度に交わし、10年間で渡したとされるのです。

このようなリスクを避けるためには、贈与のタイミングや金額を変えることはもちろん、数年に一度は基礎控除を超える贈与をして、少額の贈与税を税務署に納めるといった方法もあります。

もちろん毎年の贈与の証拠として、贈与者・受贈者間で契約書を交わすことはすべきです。

 


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行政書士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士とも連携し、相続に関するお悩みを全て解決いたします。

熊本市を中心に、熊本県全域に対応していますので是非ご相談ください。 初回相談は無料です。

投稿者プロフィール

藤本尚士
藤本尚士
熊本県玉名市出身。不動産相続に強い税理士。

経歴:
2007年 宅建業 エステート九州株式会社設立 代表取締役就任
2011年4月 税理士法人熊和パートナーズ入社・勤務
2014年8月 税理士法人新日本設立、その後、行政書士事務所設立 現在に至る

主な資格:
税理士、行政書士、相続手続相談士、相続診断士、宅建取引士、税務調査士®、不動産投資・運用アドバイザー®、医療経営アドバイザー、医療経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー(FP)2級