相続コラムcolumn

遺言書 に書かれてある 不動産 が既に処分されていた場合

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遺言書に「土地と建物を息子に譲る」と記載されているのに、相続開始時点で既に該当の不動産が売却されていたというケースもあります。
これは多くの場合、遺言作成後に遺言者の気が変わって処分してしまったというもの。

遺言者が売却したのであれば、息子さんは該当の不動産を取得することはできません。
(既に売りに出されているので当然ですが。)

それでは、取得できなかった不動産分の財産を他で補ってもらえるのかというと、そういうわけにもいきません。

 

遺言の撤回

遺言は作成者の意思で、いつでも行えます。
そして、遺言書を作成した後でも気持ちが変わり次第、その内容を書き換えることも可能です。

遺言書は日付が新しいものが優先され、前に作成した遺言の内容に抵触する部分については、撤回されたとみなされます
そして、新しい遺言書を作成しなくても、遺言の目的物を破棄もしくは内容に反して処分した場合も遺言は撤回されたものとみなされます

したがって、「土地と建物を息子に譲る」と遺言に書かれていても、その不動産が遺言者によって売却されていれば、「息子に譲る」ことを撤回したとなるわけです。

息子さんは不動産の権利を得ることはできませんし、不動産を処分して得たお金を代わりにもらえることもありません。
そして、不動産以外の遺産については、遺言書の記載通りに配分されます。

 

その他の遺言内容の撤回方法

民法で定められている遺言の撤回の方法をまとめたものが以下になります。

  • 遺言を撤回する旨の遺言による撤回(民法第1022条)
  • 前の遺言と抵触する遺言による撤回(民法第1023条1項)
  • 遺言と抵触する生前処分その他の法律行為による撤回(民法第1023条2項)
  • 遺言書の破棄による撤回(民法第1024条)
  • 遺言の目的物の破棄による撤回(民法第1024条)

 
遺言は日付優先で、形式は問いません。
公正証書遺言でも自筆証書遺言でもあくまで新しい日付のものが優先されます。

撤回する範囲は、全部でも一部でも構いません。

 


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投稿者プロフィール

藤本尚士
藤本尚士
熊本県玉名市出身。不動産相続に強い税理士。

経歴:
2007年 宅建業 エステート九州株式会社設立 代表取締役就任
2011年4月 税理士法人熊和パートナーズ入社・勤務
2014年8月 税理士法人新日本設立、その後、行政書士事務所設立 現在に至る

主な資格:
税理士、行政書士、相続手続相談士、相続診断士、宅建取引士、税務調査士®、不動産投資・運用アドバイザー®、医療経営アドバイザー、医療経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー(FP)2級