相続コラムcolumn

相続税の延納制度について

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こんにちは、税理士の藤本尚士です。
 

前回のコラムで、相続税納付の一手段である「物納制度」をご紹介いたしました。

 
相続税は現金での一括納付が原則ですが、それが困難な場合に限り、別の方法で納付することが可能です。
 

その方法の一つとして、物納の他に、相続税を年賦による分割で納める「延納」という制度もあります。

利用には要件を満たすことや、いくつかの手続きが必要になりますが、本コラムでその仕組みについて説明いたします。

 

延納とは

相続税の納付期限内に現金での一括納付が不可能な場合に、利用できる制度です。

給与や家賃収入等、定期的な収入があり、分割での納付が可能と判断された場合に認められます。
 

分割は最大20年の年賦となります。

 

制度要件

制度を利用するには下記の要件全てを満たします。

  • 相続税額が10万円を超えている
  • 税額が一括納付で不可能な範囲にある
  • 「延納申請書」および「担保提供関係書類」を期限までに提出する
  • 延納税額に相当する担保を用意する

 
一括納付で不可能な税額の範囲とは、相続で取得する財産の他に延納申請をする相続人自身の財産も含んで判断されます。

もし、2つの財産の合計額から納税可能とされる場合には適用されません
 

申請期限は、通常の申告・納付期限と同じで、「相続開始を知った日の翌日から10か月以内」です。

担保に関する書類はものによっては作成に手間がかかるので、余裕を持って準備しましょう。
 

担保については、設定できるのは大半の場合「土地」になります。

どのようなものが当てはまるかは次章で解説いたします。

 

担保となる土地について

担保にできる土地の条件は以下の3つです。

  • 抵当権が設定できる
  • 相続税の支払いを完遂できるほどの価値を持つ
  • 売却が可能

 
抵当権とは、担保品を勝手に売却できないようにする権利のことです。

相続税を支払う体制を整えるために、抵当権の設定は必須条件です。
 

尚、担保とする財産は、相続で取得するものでも、自身が持っていたものでも可能です。

 

利息について

延納でかかる利息は「未納分の元本×年割合」という計算式で算出します。
 

年割合は取得した相続財産の割合によって、下記の表の通りとなっています。


参考:国税庁HP 相続税の延納期間及び延納に係る利子
 

また、同時に相続財産の割合によって、延納の期間も変わってきます。

 

まとめ

人によって財産の状況が異なるため、延納が適用できるかについての判断はケースバイケースです。

実際に延納制度を利用する前に、専門の税理士にご相談されるのがベストです。
 


 

延納制度を検討している方、または遺産や相続税等、相続手続き全般のことでお悩みの方は熊本市中央区に拠点を構える熊本不動産相続税相談センターまでご相談ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士とも連携し、相続に関するお悩みを全て解決いたします。

熊本市を中心に、熊本県全域に対応していますので是非ご相談ください。初回相談は無料です。

投稿者プロフィール

藤本尚士
藤本尚士
熊本県玉名市出身。不動産相続に強い税理士。

経歴:
2007年 宅建業 エステート九州株式会社設立 代表取締役就任
2011年4月 税理士法人熊和パートナーズ入社・勤務
2014年8月 税理士法人新日本設立、その後、行政書士事務所設立 現在に至る

主な資格:
税理士、行政書士、相続手続相談士、相続診断士、宅建取引士、税務調査士®、不動産投資・運用アドバイザー®、医療経営アドバイザー、医療経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー(FP)2級