相続コラムcolumn

教育資金一括贈与の特例について【メリットとデメリット】

相続手続きに関する相談は、熊本市中央区に拠点を構える熊本不動産相続税相談センターにお任せください。

事前予約があれば、営業時間外や土日祝でも対応いたしますので、平日にお時間がない方もお気軽にご相談下さい。

★ご予約は[こちら]から

 


こんにちは、税理士の藤本尚士です。

前回、生前贈与の控除制度の一つである「教育資金一括贈与の特例」の概要について解説いたしました。

子供が幼稚園から大学を卒業するまで、学校の入学金や授業料、教科書の購入や通学定期券代等で非常にお金がかかりますが、同制度を活用すると教育資金のための贈与が1,500万円まで非課税にできます。

子供や孫のために資金援助したいというシニア世代にとっては人気の制度ですが、細かい要件や手続きの手間がかかる等、デメリットもあることに注意が必要です。

 

教育資金一括贈与の特例とは

前回のおさらいになりますが、教育資金一括贈与の特徴は以下の通りです。

  • 子供や孫等の直系卑属への贈与が1,500万円まで非課税になる
  • 使用用途は入学金や授業料等、教育資金のみに限定される
  • 受贈者は30歳以下で、信託を受ける前年の合計所得が1,000万円以下であること
  • 専用の金融機関で口座を開く必要がある
  • 利用期限は2021年3月31日まで

 

メリット

(1)まとまった贈与が可能

毎年110万円までしか非課税とならない暦年贈与と違って、最大1,500万円を一括贈与できます。

 

(2)暦年贈与と併用可能

暦年贈与と併用することができるので、単年で1,500+110=1,610万円の贈与が非課税で可能です。

 

(3)相続税の課税財産に加算されない

相続開始3年以内の贈与については相続税の課税対象とされますが、教育資金一括贈与の特例では特定の要件をクリアすると、3年以内でも課税対象外となります。

ここでの特定要件とは

  • 受贈者の年齢が23歳未満
  • 23歳以上の場合は学校に在籍していること
  • もしくは、教育訓練給付金支給対象の教育訓練を受講している

となります。

 

デメリット

(1)使い切れなかったお金には贈与税が課税

受贈者が30歳を過ぎた時に贈与金が余った場合は、贈与税が課税されます

支払うのは受贈者なので、余ったお金が多ければ多いほど想定外の税金を負担しなくてはなりません。

一度贈与したお金を払い戻すことはできないので(30歳になるまで、原則として口座を解約することが不可能)、高額のお金を贈与される際はよくよく検討すべきです。

 

(2)残高が遺贈となるケースがある

受贈者が30歳になる前に贈与者が亡くなった場合、亡くなる3年以内に生前贈与された教育資金の残額については遺贈扱いとなり、相続税の課税対象となります。(先に述べた要件を満たす=受贈者が23歳未満・学校に在籍もしくは教育訓練給付金支給対象の教育訓練を受講している場合は除く)
なお、贈与者が祖父母で受贈者が孫の関係だった場合の相続税2割増の対象にはなりません。

 

(3)口座開設に手間がかかる

以前のコラムでも述べましたが、制度利用には金融機関に教育資金専用口座を開設しなくてはなりません。

通常の開設手続きとは違い、書類準備等で手間がかかります

 

(4)都度、領収書等が必要

口座からお金を出すためには、教育資金として使用したことを証明するための領収書が必要です。

他の用途に使われないように厳重にチェックされます

領収書は原本提出が原則ですが、金融機関によっては携帯アプリを使用することも可能です。

領収書がないような場合でも「支払年月日、金額、支払内容、宛名、支払先の名前と支払先住所」が記載されていれば、代用可能です。

 

教育資金一括贈与の特例を活用する意味

そもそも、教育資金の贈与については、都度必要な時に行うこと自体は非課税の対象です。

例えば幼稚園に入園する孫に、入園金を渡してもそのお金は非課税です。(中学や高校までの費用を一括で渡すと、都度必要な贈与ではないとみなされ贈与税の対象となります。)

つまり、必要な時に贈与できるのなら、わざわざ教育資金一括贈与の特例を利用する意味はそんなにありません

ただし、以下のケースに該当する場合はメリットを享受できる可能性があります。

  • 贈与者の余命があと僅かで都度の贈与できるかわからない
  • 一括贈与を行なった後で贈与者の生活が苦しくならない
  • 制度利用により、後の相続手続き開始の際に節税効果が見込める

いずれにせよ、制度を活用する場合は家族との調整はもちろん、専門家のアドバイスを十分に受けてから行う方が良いでしょう。

 

まとめ

教育資金一括贈与の特例は利用にあたって注意すべき点が多い制度です。

非課税枠が大きいからと安易に利用するのではなく、メリットやデメリットをよく把握し、後の相続とセットで判断するようにしましょう。

ただし、相続まで含めた想定をするには、やはり相続の専門家に相談されることをお勧め致します。

 


 

教育資金一括贈与の特例または遺産や相続税等、相続手続きのことでお悩みの方は熊本市中央区に拠点を構える熊本不動産相続税相談センターまでご相談ください。

行政書士 、司法書士、弁護士、不動産鑑定士とも連携し、相続に関するお悩みを全て解決いたします。

熊本市を中心に、熊本県全域に対応していますので是非ご相談ください。 初回相談は無料です。

投稿者プロフィール

藤本尚士
藤本尚士
熊本県玉名市出身。不動産相続に強い税理士。

経歴:
2007年 宅建業 エステート九州株式会社設立 代表取締役就任
2011年4月 税理士法人熊和パートナーズ入社・勤務
2014年8月 税理士法人新日本設立、その後、行政書士事務所設立 現在に至る

主な資格:
税理士、行政書士、相続手続相談士、相続診断士、宅建取引士、税務調査士®、不動産投資・運用アドバイザー®、医療経営アドバイザー、医療経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー(FP)2級