相続コラムcolumn

相続登記の義務化【実施の背景】

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こんにちは、税理士の藤本尚士です。
 

昨年2019年に民法と不動産登記法の見直しが発表され、「相続登記の義務化」についての準備が進められています。

相続登記とは、相続によって受け継いだ土地や建物について、権利関係を明らかにすることです。(相続人の名前で登記簿に記載すること。)
 

どうして相続登記が義務化されるのか、それは日本国内に所有者不明の不動産が増え続けているからです。
 

東日本大震災においても、所有者不明の土地が復興を遅らせる一因になりました。

所有者調査には多くのお金と時間がかかり、用地買収の妨げになったからです。

 

相続登記とは

まず「登記」とは、個人や法人・不動産・物権・債権など法的権利や義務の保護を目的としていて、一般に公開することで第三者と円滑に取引ができるようになるシステムです。

様々な種類がありますが、ポピュラーなのは「不動産登記」と「相続登記」です。
 

不動産登記とは、不動産の状態や所有者を記載する手続きを指します。

相続登記は、不動産登記の一種で、所有者死亡の際に、被相続人(元の所有者)から相続人へ名義変更する手続きです。
 

現在(2020年7月段階)、不動産登記で義務化されているのは物理的公示(番地等の基本情報)だけで、権利関係は任意となっています。

つまり、譲渡や相続で所有権が変わっても、変更しなくて良いのです。
 

ペナルティもないので、今日では変更手続きがされないケースが多々あります

中には何世代にも渡って登記変更がないために、所有者を探すのが大変な不動産もあります。

 

義務化の主な理由

冒頭にも述べたように、日本国内には登記変更が行われないせいで、持ち主不明となった不動産が多くあります。
 

どれくらい多いのかというと、土地だけで九州と同じ面積の410万ヘクタールにもなるそうです。

九州は国土のおよそ10分の1程ですから、とても多いことがわかります。
 

所有者不明の不動産がもたらす最大の問題は、用地買収の妨げ=再活用や再開発の障壁になることです。

土地を再活用するには、所有者の同意を得て買収するか引き取りますが、所有者がわからないと、探すための費用や時間がかかってしまいます
 

九州と同じ面積の土地を全て再活用するとなると膨大なお金と労力がかかることになってしまいます。

当然ながら、日本政府にそんなお金の余裕はありません。
 

相続登記義務化の流れは、これらの問題を大きくしないための対策と言えます。

 

相続登記の義務は誰にあるか

相続登記の場合、義務があるのはその不動産を取得した相続人となります。
 

遺産分割協議が終わっていて不動産を相続する方が決まっているのであれば、その方のみが相続登記の申請義務を負い、その他の相続人は負いません。

逆に遺産分割が終了していないのであれば、相続人全員が不動産を共同して取得していることになるので、各相続人が義務を負うことになります。

 

相続登記の義務化はいつから

具体的な日程は決定していませんが、『2020年までに必要な制度改正の実現を目指す。』と言われているので、今年中には実施されるでしょう。

2020年秋の臨時国会で法案が提出される見通しもあり、近いうちに日程がわかりそうです。

 

まとめ

相続登記の義務化における背景について説明いたしました。

次回も同事項について取りあげますので、是非ご一読ください。

 


 

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熊本市を中心に、熊本県全域に対応していますので是非ご相談ください。 初回相談は無料です。

投稿者プロフィール

藤本尚士
藤本尚士
熊本県玉名市出身。不動産相続に強い税理士。

経歴:
2007年 宅建業 エステート九州株式会社設立 代表取締役就任
2011年4月 税理士法人熊和パートナーズ入社・勤務
2014年8月 税理士法人新日本設立、その後、行政書士事務所設立 現在に至る

主な資格:
税理士、行政書士、相続手続相談士、相続診断士、宅建取引士、税務調査士®、不動産投資・運用アドバイザー®、医療経営アドバイザー、医療経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー(FP)2級